眼前に白い雲が浮かぶ青空と十勝岳連峰。足元は紫のラベンダーと黄金色の麦畑。上富良野町の小高い丘陵に立つ私をさわやかな風が通り抜ける――。
上富良野町産ホップで醸されたビールの飲み心地を風景で表すと、そんな風に感じる。
北海道のほぼ中央、十勝岳に抱かれた上富良野町は100年前からホップ栽培が続く日本ビールのふるさとだ。この地のホップをめぐる三つのストーリーを、ビール片手にお読みいただいてはいかがだろうか。
まずは「伝説のホップ」ソラチエース。
上富良野町にはサッポロビール(本社・東京)原料開発研究所がある。同社がビール原料であるホップの試験栽培を始めたのが1923(大正12)年。日本で唯一、ホップ株を絶やすことなく育種してきた。
ホップとは何か。
「豚のショウガ焼きで言うと…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル